音楽を聴くメガネ虫#9 Images And Words

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Dream Theater

『Images And Words』

 

中心メンバーが名門音大出身の凄腕集団が練り上げた至極の2ndアルバムで、プログレを語るにおいて絶対に外せない1枚。

プログレッシブというと長い、重苦しい、地味…といったイメージが付随しているが(実際そう)声を大にして言いたいのは、大作なのにも関わらず聴き易いという事。

特に2曲目『Another Day』はメタルバンドにはかなり珍しいサックスを使用した大人のセンチメンタルなバラード。

4曲目『Surrounded』は静かなピアノのイントロ、ディレイを使ったギターソロからラブリエの美しい歌声で〆る、非常に爽やかに纏まった1曲。

聴き易さだけでこの作品が評価されているのかと言うとそんなことはない。むしろここからがひとつの時代を築き上げた男達の本番である。

今作で最もメタルの気質が強い『Pull Me Under』、ファンキーでメロディアスな印象の『Take the Time』、メンバー全員の技量と魂をぶち込んだ大作『Metropolis, Pt. I: The Miracle and the Sleepe』は手に汗握るような緊張感と開放感の交差が本当にカッコよく、人生の中で最も短い9分半の体験。美しい旋律のピアノに心を掴まれる2分半の『Wait for Sleep』。こういう小技を効かせてくるのもニクい所。

 

高校の頃、このアルバムに聞きながらバイクに乗って旅したら最高に楽しいだろうな〜と思って早10年近く。未だに二輪免許すら取ってません。そもそもバイクに乗りながら音楽は聴いてもいいものなのだろうか。

誰かそっと教えてください。

 

 

 

 

音楽を聴くメガネ虫#7 Inhuman Rampage

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DragonForce
『Inhuman Rampage』

このバンドを聴く時、最も正しいと思われる姿勢がある。

それは鼻で笑いながら聴くこと。

ダッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッサ!!!

なんだこの超絶技巧ロン毛おじさん達から繰り出されるクサ過ぎるメロディは。

あっそういえばこないだ出たアルバムのジャケットです。

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クソダッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッせぇ〜!!!!!

どんなセンス持ってたらこんなイラスト描こうとするんだよ。そしてなんで普通に企画会議に通るんだよ。メタル界の大御所ちゃうんかお前ら。

でもこのクソダサさがね、一番良いの。

出会ってから10年間ずーーーーーっと聴き続けてきたが、メンバーのテクニックが凄過ぎるのと、ハーマンがイケメン過ぎる事以外何一つわかんないし、ライブ中どんな曲でも鳥肌が立つ位かっこいいんだけど、いつも通りドコドコし始めた瞬間「ああ、やっぱクソダセぇな」って思いながら皆でウォーウォーモッシュする会場のあの意味わかんなさと結束振りは唯一無二だと思う。

話がかなり逸れまくった。

さて、このアルバムも中々大したものである。バラードが1曲しかないのはまぁメタルバンドだもんなで片付けられるが、その曲がラストに置かれているせいで、始まってから1時間コイツらは一生止まることなく生音でユーロビート以上のノンストップ鬼地獄超ハイスピードドコドコピロピロをし続ける刑に処されているのだ。

似た曲が多いんじゃないのと言われるDragonForceだが、よくよく聞くと割とそうでも無かったりする。

リード曲『Through the Fire and Flames』

はメタル界でも未だにトップを張り続ける名曲だし、爆速ながらもキーボードがキレまくってる『Storming the Burning Fields』、『Body Breakdown 』の遊び心満載のベースソロはいつ聴いても心が踊らされる。それと『Cry for Eternity』の…なんだろうね、このロックマン3のステージセレクト曲とがんばれゴエモンのテーマを融合させた様な妙ちくりんなギターソロ…

通して見ると結構各パートの活かし方を考えられ、整理された繊細な作品なのだなと感じる事が出来る。

音楽を聴くメガネ虫#6 FOLLOW ME UP

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坂本真綾
『FOLLOW ME UP』

当時一番ハマっていたバンド、フジファブリックの初代ボーカル志村が「坂本真綾はめちゃくちゃ良い」と頻りに言っていたので前々から気にはなっていたが、「声優てw」と軽んじて放置していた。

それから少し経って、気まぐれに昔録画して放置していた「世界征服〜謀略のズヴィズダー〜」のOP映像を観た。

なっ…何これ〜!!!

超カッコイイ〜!!!

その後、案の定近所のTSUTAYAにチャリを走らせたこだめが少年であった。

当初は目当てだった『Be mine!』の凄まじく尖ったバックバンド(後々こいつらが一番好きなバンドになる)にアガり、Theアニソンといった『レプリカ』で一頻り盛り上がったが、

最終的には透き通った声を最大限に活かした『東京寒い』。

穏やかで聴く人を優しく包み込む『これから

曲自体は何て事は無いんだけど、旅先のローカル線に揺られ聴いた『ロードムービー』は忘れられないし、

不思議と胸が切なくなった『かすかなメロディ』といった落ち着いた良質なバラード郡に、いつしか心を奪われていた。

 

半分シングルを集めたベスト盤の様なものなのでアルバムとしては他作品より1段劣るが、その分曲単体はどれを取っても質は高い。

音楽を聴くメガネ虫#5 Lean Into It

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MR.BIG   

『Lean Into It』

アルバムの1曲目最強候補決定戦1位に推します。

『Daddy, Brother, Lover, Little Boy』

ガチのマジで名曲過ぎて、ハードロック拗らせた奴は大体ステージ上でドリル持って暴れまくる妄想をしてきたと思う。

…俺だけじゃないと思いたい。

そこから盛り下がるかなと思えばパワー系ブルースの『Alive And Kickin' 』が立て続けにノらせてくれるし、そこから幻想的なイントロ『Green-Tinted Sixties Mind』へ繋がる流れは本当に最高。

深夜に家族とFM流しながら高速道路に乗ってる時『To Be With You』が掛かったんだけど、その時の親父の懐かしそうな顔が今でも忘れられない。

きっと親父も通って来た道なんだろう。

音楽を聴くメガネ虫#4 The Captain and Me

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THE DOOBIE BROTHERS
『The Captain and Me』

衝撃が走った。

居間でSUBARUのCMが流れた時である。

なっ何だこの曲は…ドチャクソカッケェ…!今すぐ近所のTSUTAYAに行かねば…!

そんな衝動借り(?)した記憶があるこのアルバム。

『China Grove』『Without You』などの強烈なギターリフもかっこいいんだけど、個人的には『Clear as the Driven Snow』『South City Midnight Lady』とか、前期ドゥービー特有のしっとりした海風と土煙が混ざった様なノスタルジックさを感じられる曲調がとても大好き。海沿いの道を歩く時のお供にもなります。

ちなみに洋楽板に行くと大抵泥臭いカントリー調の前期派か、よりAOR色の増した後期派かどっちかの言い争いをしている。主に60年後期〜80年代に活躍したバンドなのでどうしてもEarth, Wind & Fireに影響されちゃうのは仕方ない事だが、個人的にはどっちも好きである。

だって「What A Fool Believes」、めっちゃイカしてて最高じゃんね。

音楽を聴くメガネ虫#3 Seize the Power

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yonaka
『Seize the Power』

UKロックの影が薄くなって早数十年。

音楽チャートはレゲトンが独占し、HIPHOPですら最早時代遅れと化してきた魔境の現代に、ダークでパワフルな世界観を引っ提げたパワー系のブチギレ少女が爆誕した。

E.P「Teach Me To Fight」と出会った時から俺の中のこういうのでいいんだよおじさんが腕組みしていたが、ここまで繊細かつ大胆な作品を提示されると頷き通り越してモッシュをしなければならない。

ゲストもFEVER333とBarns Courtneyというツボ過ぎるコラボ先で、『Clique』の深夜にクソガキ共が集まって暴れまくってる感じも、『Anthem』の壮大で美しいバラードも全てクオリティが高い。同系エモロックのI Prevail辺りともコラボしてくんないかな。

真面目に今1番生で見たいバンド。