福岡珍獣旅行 第二夜 前編

 

朝。

両隣のベッドが騒々しくて目を覚ます。

 

1人は左のベッドでぐっすり眠っているデデ公。初日の疲れがどっと出たのか、グゥグゥ大きないびきを立ててごろごろと寝返りをうっている。右隣のベッドからは、ドガスくんが何やら暗闇の中自分のバッグからゴソゴソ取り出している。

そうしてそのまま立ち上がって部屋の風呂場にこっそり向かったと思うと、数分も立たないうちに水の音が聞こえ始めた。どうやら朝風呂を満喫しようとしているらしい。

起きたなら話し相手にでもなって貰おうと思っていたが、どうせ後15分位で出てくるだろうし…もうしばらくデデ公のいびきをBGMにのんびりベッドで転がっていよう。

10分。

15分。

 

…そのまま、30分以上が経過した。

 

まだ彼が出てくる様子は無い。

意外と長風呂なんだな…。

流石にベッドでゴロゴロするのも飽きたし、そろそろコーヒーでも飲むかとお湯を沸かそうとした時、風呂場からツヤツヤのヤング滝藤賢一が現れた。

ドガスくんである。

☠「あれごめん、起こしちゃった?」

>oo<「起きてた…風呂、長かったね」

ベッドに腰を降ろした彼と備え付きのマシンで作ったエスプレッソを飲みながら、デデ公が起きない様に声量に気を付けながらこっそり会話し始めた。

どうやら人生で一度も触れたことのないバスソルトに大興奮した挙句、気が付いたらのんびり浸かって居たらしい。何だか話を聞いてると俺も風呂に入りたくなってきた。折角だし、どんなもんだか確かめてみよう。

 

>oo<「んじゃ俺も風呂入ってくるわ」

☠「…えっ!!!???」

>oo<「…どうしたの?」

☠「いや、風呂の水抜いちゃったけど…大丈夫…?」

 

何やらしょぼくれたハムスターの様な顔をしたヤング滝藤が尋ねてきた。

 

>oo<「えっ…別に良んじゃね…?」

 

自分としては常識的な行為だと思ったし、彼とはまた別のバスソルトを使えるので気にしなくていいといった具合に伝えたのだが、彼はまだ釈然としないといった具合で、改めて湯を貯めてる途中寝ぼけながら目を覚ましたデデ公に対しても

 

「自分が上がったあとの風呂の水抜くのって常識かなぁ?なぁ!!」

 

…と、自分の行動が常道なのかどうか聞き取り調査をし始めた。

そんなに気にすることじゃないのになぁ…

と思いながら風呂でぬくぬくして、上がってきたのもつかの間。

どがすくんから唐突にこう言われた。

 

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☠「しゃつのあいろんおねがいしていい?」

なんでこっち頼むのは気にしねぇんだよ!!

(掛けてあげた)

 

 

・勃発、駄菓子バトル

言ってしまえば、2日目の日中は空白の時間である。

なにせ本日のメインイベントは

皿倉山で夜景鑑賞」

──それを軸に考えると、

[チェックアウト時刻の12時](高い金を払った以上ギリギリまで粘りたいという卑しい心)

[皿倉山行き送迎バスの発車時刻の16時]

「観光出来るっちゃ出来るけど微妙な時間よね」と言った空白の4時間がどうしても発生する。

そこで我々はスペースワールド駅を降りて徒歩数分、イオンモール八幡東店でコインロッカーに荷物を預けた後のんびりウィンドウショッピングで時間を潰す事にしたのだった。

 

☠「お前ロッカーの鍵ぜってぇ無くすなよ!?」

>o'ω'o<「うーん…あんまり自信ないかも…」

>oo<「ところで上の階の楽市楽座ってなんだ?カドショとか?」

>o'ω'o<「いやちょっとしたゲーセンだね…あれ、関東ってまさか無い!?」

>oo<「九州だけじゃね?」

☠「俺も知らねぇ」

>o'ω'o<「さっき寄ったエディオンとかも関東には無いんだよね、身近に使ってた店が無いって不思議なんだよなぁ…」

>oo<「でもやっぱこういうローカルな話も旅の醍醐味の1つだよな!」

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※埼 玉 あ り ま し た。

(イオンモール川口前川店3F。どこだよ。)

それにしてもイオンモール八幡東店、思った数倍馬鹿でかい。流石に我らがレイクタウンに比べればワンランク下がる(と思いたい)ものの、歩くだけでも割かし疲労が溜まる。皆考える事は同じなのか、何も言わずとも「フードコートでまったりするか…」という雰囲気が出来上がり、またなんとなーく3階まで導かれると、駄菓子屋のテナントが目に止まった。

「子供の頃は何のお菓子が好きだった」とか、「駄菓子の値段上がったよな」とかたわいの無い話をしながら、店頭に陳列された駄菓子を手に取ってみる。別にこんなの地元帰ってから幾らでも食べられるのだが、見てると無性に食べたくなってきた。

 

>oo<「何か普通に買うのも味気無いし、300円以内で誰が一番センス有るかバトルしねぇ?」

 

という鶴の一声により、唐突に「最強三百円駄菓子バトル」が勃発したのだった。

 

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デデ公作。

本人イチオシのヤングドーナツ二刀流が果たしてどう転ぶのか。

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ドガス作。

値段の調整よりも今食べたいものを優先したオトナ流スタイル。

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メガネ作。

300円で味わえる満足度を極限まで高めたハナタレスタイル。

 

 

結果はというと…

 

 

 

 

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俺の圧勝だった。

センスがいいとかそういう問題ではなく、単に

「イマイチ企画を分かってなかった」ドガスくんと「ヤングドーナツ二刀流」という村田内川の二遊間(By骨)の様なふざけたテーマで立ち会おうとした男達に負けるはずがないのだ。

>o'ω'o<「えぇ〜美味しいじゃんドーナツ…」

哀れデデ公。

この後最下位だった不満をぽつぽつ言い出し始めるのだが、それはまた別の話。